ザッハトルテとチョコレートケーキの違いとは?ザッハトルテの作り方も解説します
ザッハトルテとチョコレートケーキの違いってご存じですか?ザッハトルテは、オーストリア・ウィーン発祥の伝統的なチョコレートケーキで、「チョコレートケーキの王様」とも称されます。その名前は、考案者であるフランツ・ザッハー氏に由来しています。特徴的なのは、チョコレート生地にアプリコットジャムを塗り、さらにチョコレートの糖衣で全体をコーティングしている点です。
ザッハトルテの歴史
ザッハトルテは、1832年にフランツ・ザッハー氏がオーストリアの宰相クレメンス・メッテルニヒのために考案したとされています。その後、息子のエドゥアルト・ザッハー氏がレシピを改良し、ウィーンの「ホテル・ザッハー」で提供されるようになりました。しかし、財政難によりレシピが流出し、洋菓子店「デメル」との間で商標権を巡る争いが起きました。最終的に、ホテル・ザッハーは「オリジナル・ザッハトルテ」、デメルは「デメルのザッハトルテ」として販売することが認められました。
ザッハトルテと一般的なチョコレートケーキの違い
1. 生地の違い
一般的なチョコレートケーキは、スポンジ生地やガナッシュクリームを使用することが多いですが、ザッハトルテはバターやチョコレートを多く含んだバター生地を使用します。これにより、しっとりとした食感と濃厚な味わいが生まれます。
2. アプリコットジャムの使用
ザッハトルテの最大の特徴は、生地にアプリコットジャムを塗ることです。この酸味がチョコレートの甘さと絶妙に調和し、独特の風味を生み出します。一方、一般的なチョコレートケーキでは、アプリコットジャムを使用することは稀です。
3. コーティングの違い
ザッハトルテは、チョコレートとフォンダン(糖衣)で作る「ショコラーデン・グラズュール」で全体をコーティングします。これにより、シャリシャリとした食感が楽しめます。一般的なチョコレートケーキでは、ガナッシュやチョコレートクリームでのコーティングが一般的です。
ザッハトルテの作り方

材料(15cmデコレーションケーキ型1台分)
- 無塩バター:70g
- 粉砂糖:35g
- スイートチョコレート(カカオ成分55%以上):70g
- 卵黄(Lサイズ):3個分
- 卵白(Lサイズ):3個分
- グラニュー糖:35g
- 薄力粉:70g
- アプリコットジャム:50g(サンド用)
- A. 水:大さじ1
- A. グラニュー糖:10g
- A. アプリコットジャム:100g
- 水:80g
- グラニュー糖:150g
- チョコレート(カカオ成分55%以上):130g
作り方
- 下準備:型に敷紙をセットし、バターと卵を室温に戻す。薄力粉をふるい、スイートチョコレートを湯煎で溶かしておく。オーブンを170℃に予熱する。
- 生地作り:ボウルにバターと粉砂糖を入れ、白っぽくなるまで混ぜる。溶かしたチョコレートを加え、さらに卵黄を一つずつ加えて混ぜる。
- メレンゲ作り:別のボウルで卵白を泡立て、グラニュー糖を数回に分けて加え、しっかりとしたメレンゲを作る。
- 生地とメレンゲの合わせ:チョコレート生地にメレンゲの1/3を加え混ぜ、次に薄力粉を加えて混ぜる。残りのメレンゲを加え、泡をつぶさないように混ぜる。
- 焼成:生地を型に流し入れ、160~180℃のオーブンで40~45分焼く。焼き上がったら型から外し、粗熱を取る。
- アプリコットジャムの塗布:冷めた生地を2枚にスライスし、間にアプリコットジャムを塗って重ねる。さらに、表面全体にもアプリコットジャムを塗る。
- コーティング:鍋に水とグラニュー糖を入れ、煮詰めてシロップを作る。溶かしたチョコレートと混ぜ合わせ、ザッハトルテ全体に均一にコーティングする。
- 仕上げ:冷蔵庫でしっかりと冷やし、チョコレートが固まったら完成。
まとめ
ザッハトルテと一般的なチョコレートケーキは、見た目こそ似ていますが、レシピや味わいに大きな違いがあります。ザッハトルテは、アプリコットジャムとフォンダンのコーティングが特徴で、より濃厚で上品な味わいが楽しめます。自宅で作る際には、伝統的な作り方を試してみると、より深い味わいが楽しめるでしょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません